インド料理のメニュー名を“日本人に刺さる言葉”に変える方法

「味には自信があるのに、初めてのお客様が“注文で止まる”」──インド料理店でよく起きるのが、この現象です。
原因は料理の魅力不足ではなく、メニュー名から料理が想像できず、不安が残ってしまうこと。
この記事では、文化の魅力と敬意を大切にしながら、“日本の方に伝わる言葉”に整える方法(型・テンプレ・配置)をまとめます。

English version is available here:
https://www.the-n.jp/column/indian-menu-naming-japanese-en/

なぜメニュー名が伝わらないと、注文が止まるのか

このセクションの要点

初来店の方は「味・辛さ・量・食材」が想像できると注文しやすくなります。
メニュー名は“翻訳”より“想像の補助”が大事です。

初めてのお客様は、メニューを見ながら頭の中でこう考えています。
「どんな味?」「辛い?」「量は?」「自分に合う?」
ここが一瞬で想像できると注文はスムーズ。逆に、固有名だけが並ぶと「分からない=怖い」で止まりやすくなります。

大切なのは、料理名(文化の名前)を消すことではありません。
名前は残しつつ、“一言で分かる補足”を添える──これが本格感を保ちながら注文率を上げる王道です。

メニュー名を“刺さる言葉”に変える5つの変換ルール

このセクションの要点

「固有名+読み+一言説明+主役食材」を基本形にします。
さらに「おすすめの選び方」まで添えると迷いが減ります。

ルール①:読みを添える(カタカナ/ふりがな)

読めないと、それだけで「自分には難しいかも」と感じやすいです。
料理名の横に読みを添えるだけで、心理的ハードルが下がります。

ルール②:味の系統を“一言”で固定する

例:「トマトクリーミー」「スパイス香る」「豆の旨み」「香ばしグリル」など。
長文説明より、短い言葉で味の方向性が分かるのが正解です。

ルール③:主役食材を見える化する(鶏・豆・ほうれん草等)

「肉は何?」「乳製品は入ってる?」など、食材の不安は注文のブレーキになります。
主役食材(鶏/羊/海老/豆/ほうれん草 等)を料理名の中に入れると分かりやすいです。

ルール④:おすすめの“入口”を用意する(押し付けない言い方)

「初心者向け」などのラベルは、人によっては違和感が出ます。
代わりに、“迷ったらこれ”の導線を、丁寧な表現で置きます。


  • 迷ったらこちら(人気メニュー)

  • 辛さ控えめも可能です(お好みで調整)

ルール⑤:セット名は“理由”で命名する(店名セットより強い)

「Aセット/Bセット」より、選ぶ理由が分かる名前のほうが売れます。
例:「しっかり満足セット」「迷ったら安心セット」「スパイスしっかりセット」

すぐ使える:メニュー名の“型”とBefore/After例

このセクションの要点

一番強いのは「固有名(読み)+一言説明」の並走です。
“文化の名前”を尊重しつつ、注文の迷いを減らせます。

ここはテンプレとして覚えると楽です。
おすすめの基本形:
「固有名(読み)」+「味の一言」+「主役食材」
例:◯◯(◯◯)/トマトクリーミー/鶏

Before(固有名のみ)After(伝わる表記例)補足のコツ
Butter Chickenバターチキン(バター香るトマトクリーミー)「甘み・コク・クリーミー」を短く
Palak Paneerパラックパニール(ほうれん草×チーズの濃厚カレー)食材(ほうれん草/チーズ)を明確に
Dalダール(豆の旨み/やさしいスパイス)“やさしい”など安心語を添える
Chicken Tikkaチキンティッカ(香ばしタンドールグリル)調理法(焼き/グリル)を先に見せる
Biryaniビリヤニ(スパイス香る炊き込みご飯)「炊き込みご飯」で一発理解

※上のAfterは「表記の型」の例です。実際の味・食材・辛さはお店ごとに異なるため、事実に合わせて調整してください(アレルギーが心配な方への案内文も添えると丁寧です)。

“並べ方”を変えると、売れ筋はもっと分かりやすくなる

このセクションの要点

初来店の方には「料理ジャンル」より“選び方”の分類が効きます。
迷う人の出口(おすすめ枠)を作るのがコツです。

カテゴリは「選び方」で区切る

例えば、次のような分類にすると一気に選びやすくなります。

  • 迷ったらこちら(人気メニュー)
  • しっかり満足(ボリューム)
  • スパイスしっかり(香り重視)
  • 辛さ控えめもOK(お好みで調整)

“おすすめ3つ”を固定表示する

メニューの上部に「本日のおすすめ」ではなく、初来店の方が迷わない“定番3つ”を置くと強いです。
(例:トマトクリーミー系/豆の旨み系/香ばしグリル系)

店頭・Google・Webで“同じ言葉”に揃えると、来店前の不安が減る

このセクションの要点

メニュー名は入口(店頭)→Google→店内で同じ表記に。
事前に見た言葉と一致すると、安心して注文されやすくなります。

Googleビジネスプロフィール:メニューURLを設定する

来店前に多くの方がGoogle検索/Googleマップでお店を確認します。
Googleビジネスプロフィールには、メニューへのリンク(Menu link)を登録できる案内があります。


(出典:Google Business Profile ヘルプ:メニューエディタ(メニューリンク)

投稿(Posts)で「おすすめ3つ」を短く紹介する

週替わりのおすすめやセット案内は、投稿機能で定期的に発信できます。
「固有名+一言説明」の型で短く書くと、読まれやすいです。


(出典:Google Business Profile ヘルプ:投稿の作成と管理

写真:外観・内観・料理の3点で“想像”を助ける

「入口が分かる」「中の雰囲気が見える」「料理が想像できる」写真が揃うと安心につながります。
Googleは、外観写真は複数方向から、内観写真も加えることなどを案内しています。


(出典:Google Business Profile ヘルプ:ビジネス向け写真のヒント
写真と動画の管理

ChatGPT / Geminiで“刺さる言い換え案”を量産する(失礼のないトーン指定つき)

このセクションの要点

料理の特徴(味/食材/辛さ/調理法)を渡せば候補は作れます。
ただし最終的に事実確認と表記統一は必須です。

the N では、メニュー表記の素案づくりにChatGPT と Geminiを活用します。
ポイントは、“文化を尊重し、相手をラベリングしない”というトーンを最初に指定することです。

コピペ用プロンプト(メニュー名の言い換え・統一)

あなたは飲食店のメニュー編集者です。
次の料理情報をもとに、メニュー名を「固有名(読み)+一言説明」の型で提案してください。
文化や背景への敬意を大切にし、相手をラベリングする表現(例:「日本人向け」など)は使わず、誰が見ても心地よい丁寧な日本語で書いてください。

【料理情報】
・固有名(英語表記または現地名):____
・読み(カタカナ):____
・主役食材:____(鶏/羊/海老/豆/ほうれん草 等)
・味の特徴:____(例:トマトクリーミー/スパイス香る/豆の旨み/香ばしグリル)
・辛さ:____(0〜5など。調整可能なら「調整可」と明記)
・注意点:____(乳製品使用など。事実のみ)

【出力形式】
1) メニュー名(短め)を3案
2) 一言説明(15〜25文字)を3案
3) Google投稿用(90〜120文字)を1案(おすすめ3品をまとめる)
4) 店頭POP用(7〜15文字)を2案

なお、Webサイト側で「構造化データ(Structured Data)」を入れると、検索エンジンがページ内容を理解しやすくなる、とGoogleは説明しています。
たとえば飲食店は、schema.orgの「Restaurant」タイプにメニュー(hasMenu)を紐づける考え方があります(実装する場合はWeb制作側で要設計)。


(出典:Google Search Central:構造化データの紹介
schema.org:Restaurant(hasMenu)

よくある質問 (FAQ)

このセクションの要点

固有名は残してOK。“一言説明”があるかで注文の止まり方が変わります。
迷いを減らす設計を優先しましょう。

Q. 固有名を変えると“本格感”が落ちませんか?

A.
落ちません。固有名は残したまま、読みと一言説明を足すのが王道です。文化の名前を尊重しつつ、初来店の方の迷いを減らせます。

Q. 「初心者向け」みたいな表現は避けた方がいい?

A.
人によって受け取りが分かれるので、「迷ったらこちら」「人気メニュー」など、誰にとっても自然な言い方がおすすめです。

Q. Googleと紙メニュー、どっちを先に直すべき?

A.
まずは来店前に見られやすいGoogle側(メニューリンク・投稿・写真)を整え、次に紙メニューと表記を統一するのがスムーズです。

まとめ:刺さるメニュー名は「固有名+一言説明+選びやすい分類」

このセクションの要点

料理名は消さずに、想像の補助を足す。
それだけで“注文の止まり”は減らせます。

メニュー名を変えるのは「迎合」ではなく、お店の魅力を正しく伝えるための翻訳設計です。
今日からはまず、人気メニュー3つだけでも「固有名(読み)+一言説明」にしてみてください。変化が出やすいです。

「メニュー表の作り直し、写真撮影、Googleの整備、Web掲載までまとめて整えたい」
そんな時は、the N が“小さく始める設計”でお手伝いできます。

「撮影+LP+Googleビジネスプロフィール」から小さく始めたい方には、the N のスモールスタートデザインパックも選択肢になります。
▶ プランの詳細はこちら

月々のお支払いではなく、一回きりの「5万円〜」から。

the N は、江戸川区の事業者様の「最初の一歩」を全力でサポートします。
まずはお客様のビジネスのお話をお聞かせください。

または Instagram DM (@the.n.sns) からもお気軽にご連絡ください。

LINEで相談