AI生成画像をWeb・SNS・チラシで使う前の確認表

AI生成画像をWeb・SNS・チラシで使う前の確認表の内容を表したサムネイル

AI生成画像は、見た目が整っただけでは公開できません。著作物との類似や人物・ロゴを確認する前に、もっと早い段階で止めたい問題があります。プロンプトや参照画像へ、顧客名、未公開商品、社内資料などの機密情報を入れていないかです。

AI生成画像をWebサイト、SNS、チラシで使う担当者向けに、生成前、生成後、公開・入稿前の確認項目をまとめました。法律上の結論を代わりに出すものではありません。判断が難しい権利関係は、権利者や弁護士などの専門家へ確認してください。

3分で分かる結論|確認は画像を作る前から始まる

まず、次の3段階で担当を決めてください。

段階 主な確認 確認する人
生成前 機密情報、個人情報、参照画像の利用許可、サービスの規約と設定 画像を生成する人
生成後 既存作品との類似、人物・ロゴ、文字や商品の誤り、生成記録 制作者と依頼者
公開・入稿前 掲載サイズ、切り抜き、画質、代替テキスト、印刷見本 媒体の担当者

この表を確認できない案件では、急いで生成するより、入力してよい情報の範囲を先に決めた方が安全です。

1. 生成前|機密情報をAIへ入力しない

クラウド型の生成AIへ入力した情報は、サービス提供者へ送信されます。IPAの「AIセキュリティの最小チェック」も、クラウドAIへ営業秘密を教えないよう注意を促しています。サービスによって保存や学習への利用条件が違うため、「有料版なら何を入れてもよい」と一括りにはできません。

入力を止める情報の例

  • 公開前の商品名、価格、発売日、キャンペーン内容
  • 顧客名、顔写真、連絡先、購買履歴
  • 契約書、見積書、請求書、社内会議の資料
  • パスワード、APIキー、管理画面のスクリーンショット
  • 取引先から預かった写真、ロゴ、設計データ
  • 撮影場所やファイル名に残った個人情報

「画像そのものは公開予定だから大丈夫」と考える前に、背景に写った書類、画面、名札まで見ます。人物写真を参照画像として使う場合は、その人からAIへの入力と生成用途について許可を得ているかも確認します。

個人情報保護委員会は、生成AIへ個人データを入力する際、サービス提供者がその情報を機械学習へ利用しないことなどを十分に確認するよう注意喚起しています。入力する必要がある場合は、利用規約、プライバシーポリシー、管理者設定を確認し、社内ルールで許可されたアカウントだけを使います。

生成前チェック

  • [ ] 顧客・取引先の機密情報を含んでいない
  • [ ] 個人を識別できる情報を含んでいない
  • [ ] 参照画像をAIへ入力する許可がある
  • [ ] 利用するサービス名とアカウントを記録した
  • [ ] 入力内容の保存・学習設定を確認した
  • [ ] 判断に迷う素材を、伏せ字や差し替えで処理した

この6項目のどれかが不明なら、入力を止めます。あとで削除すればよい、という運用にはしません。

2. 生成後|似ていないか、間違っていないかを見る

文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」は、生成物を利用する前に既存の著作物との類似性を確認することや、プロンプトなど生成過程を確認できる状態にしておくことを挙げています。また、既存画像を画像生成AIへ入力し、似た画像を出す目的で使う場合には、入力の段階でも著作権侵害が問題になり得ると説明しています。

確認するときは、画像全体の雰囲気だけで判断しません。

確認対象 見るポイント 対応
既存作品との類似 構図、人物、背景、特徴的な小物が特定作品に近くないか 画像検索を行い、疑わしい場合は使わない
人物 実在人物に見えないか、顔や手に破綻がないか 本人と誤認される恐れがあれば差し替える
ロゴ・商品 社名、商標、商品パッケージに似た要素がないか 意図しない表示は消すか再生成する
文字 読めない文字、誤字、存在しない価格や日付がないか 正確な文字はHTMLや制作データで組む
事実 実在しない設備・メニュー・景色を実物のように見せていないか イメージ表記や実写への変更を検討する

検索で似た画像が見つからなかったからといって、安全が保証されるわけではありません。確認結果と判断理由を残し、迷った場合は使わない選択を取ります。

残しておきたい生成記録

  • 生成日と担当者
  • 使用したサービスとモデル名
  • プロンプト
  • 参照画像の出所と利用許可
  • 採用前に確認した内容
  • 画像を修正した履歴

記録は「AIを使ったと説明するため」だけのものではありません。後日問い合わせを受けたとき、何を根拠に公開したかを確認するために使います。

3. Web・SNS・チラシで確認項目を変える

同じ画像でも、掲載先によって見え方と役割が変わります。1枚を書き出して全媒体へそのまま流用すると、大事な文字や人物が切れたり、印刷で粗く見えたりします。

Webサイト

  • スマートフォンとPCの両方で主要部分が切れない
  • 画像内の文字に頼らず、本文にも同じ情報がある
  • 内容を説明する代替テキストを設定する
  • 表示サイズに合わせて圧縮し、読み込みを重くしない
  • 実物や実績写真と誤認されない配置・説明にする

SNS

  • 投稿一覧、縦長表示、シェア時の切り抜きを確認する
  • 小さな画面でも、何の投稿か分かる
  • 画像内の細かな説明を本文でも補う
  • キャンペーン条件、価格、日付を人が再確認する
  • 予約投稿後も公開日時とリンク先を確認する

チラシ

  • 印刷会社が指定するサイズ、塗り足し、カラーモードを確認する
  • 原寸で人物や文字が粗く見えない
  • 端に重要な情報を置かない
  • 校正紙またはPDFで、価格、電話番号、QRコードを確認する
  • Web用の小さな画像を無理に引き伸ばさない

媒体ごとの仕様は、利用するCMS、SNS、印刷会社によって変わります。上の項目を固定値として扱わず、実際の入稿・掲載条件と照らしてください。

4. そのまま使える公開前確認表

依頼者と制作者が同じ表を見られるよう、担当欄を付けて使います。

確認項目 結果 担当・日付
プロンプトと参照画像に機密情報がない OK / 要確認
個人情報と利用許可を確認した OK / 要確認
サービスの規約・保存・学習設定を確認した OK / 要確認
既存作品との類似を画像検索などで確認した OK / 要確認
人物・ロゴ・商品・文字に意図しない要素がない OK / 要確認
実物・実績写真と誤認される見せ方ではない OK / 要確認
生成日、サービス、プロンプト、判断を記録した OK / 要確認
掲載先の切り抜き、画質、文字を確認した OK / 要確認
価格、日付、連絡先、QRコードを人が確認した OK / 要確認
判断が難しい権利関係を専門家へ確認した 該当なし / 済

表の目的は、すべてを「OK」にすることではありません。「要確認」を見つけて、公開前に止められる状態を作ることです。

よくある質問(FAQ)

Q. AI生成画像だと表示すれば、自由に使えますか?

A. 表示だけで権利関係や利用規約の問題が解消されるわけではありません。入力素材、生成物の類似性、サービスの商用利用条件、掲載内容を別々に確認してください。

Q. 自社の商品写真を参照画像にしてもよいですか?

A. 自社が権利を持つ写真でも、顧客情報、撮影者との契約、写り込んだ人物やロゴを確認します。未公開商品の場合は、クラウドAIへ送ってよい情報かを社内で先に決めてください。

Q. 生成した画像を検索して、似た作品が出なければ問題ありませんか?

A. 画像検索は確認方法の一つで、問題がないことを保証するものではありません。採用の経緯を残し、特定作品との類似が疑われる場合は使用をやめるか、専門家へ確認します。

Q. AI画像の文字をそのままチラシに使ってよいですか?

A. AIが描いた文字には誤字や読めない形が混ざることがあります。価格、日付、連絡先を含む文字は、デザインソフトやHTMLで正しく組み直し、人が校正します。

Q. 社内で最初に決めることは何ですか?

A. 利用できるAIの種類より先に、入力禁止情報を決めます。顧客情報、未公開情報、契約書、認証情報など、自社で扱う具体例を書いて共有すると判断しやすくなります。

まとめ|公開ボタンの前ではなく、入力欄の前で止める

AI生成画像の確認は、完成画像の見た目を直す作業だけではありません。入力する情報、生成物の内容、掲載先での見え方を順番に確認する仕事です。

特に機密情報は、画像が完成したあとでは対応が遅れます。まず「この情報を外部サービスへ送ってよいか」を問い、そのうえで類似性や媒体別の品質を確認してください。

AI導入・実務活用支援では、AI画像の作成だけでなく、Web、SNS、チラシでどう使うか、誰が何を確認するかまで整理します。AI画像を使った販促物を安全に進めたい方は、ご相談ください。

参考情報

  1. AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁・2026-08-16参照)
  2. 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会・2026-08-16参照)
  3. AIセキュリティの最小チェック(独立行政法人情報処理推進機構・2026-08-16参照)